百人一首を劇的に覚えやすくする方法
投稿者 :吉島航日子 on
子どものころ学校や家で、カルタ取りや坊主めくりを楽しんだ人は、多いでしょう。
私は、小学生のころ叔母から「ぜんぶ覚えたら5,000円あげる」と、ニンジンをぶら下げられたものの、5、6首くらいで挫折した少し苦い思い出がありますす。
当時は百首を覚えるのは難しく感じたものでしたが、今回は、覚え方を助ける便利な一覧表についてお話します。
素晴らしい日本の古典文学を受け継いでいけるように、その覚え方を研究してみました。
まず、覚えるのが難しいのは何故なのか考えたところ、文字のつながりが似たようなものが多いため、という理由が見つかりました。
似ている歌と間違えやすい
例えば、上の句が「あさぼらけ」ではじまる歌が2つあります。
・あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに(31.坂上是則)
・あさぼらけ うじのかわぎり たえだえに(64.權中納言定頼)
音の響きが頭になじめば覚えられるものですが、5文字までが同じなので、混同しがちです。
また、下の句では「ひと」で始まる歌が9首もあります。
・ひとこそしらね かわくまもなし(92.二条院讃岐)
・ひとこそみえね あきはきにけり(41.恵慶法師)
・ひとしれずこそ おもいそめしか(41.壬生忠見)
・ひとづてならで いふよしもがな(63.左京太夫道雅)
さらに、7文字目までが同じ歌まであり、それらが間違えやすいでしょう。
・いまひとたびの あうこともがな(58.大弐三位)
・いまひとたびの みゆきまたなむ(26.貞信公)
似ている歌を見分けやすくする方法
では、まぎらわしい歌をうまく覚えられないか?
それらの歌の場合、何文字目で似ている歌と区別できるのか、その字を「決まり字」と言って、百人一首を覚える決め手になります。
覚え方を研究したところ、決まり字ごとに五十音順に並べると、分かりやすいということが分かってきました。
そして、決まり字をすぐに見分けれるように、色分け方法など様々に工夫をしました。
テンポよく詠み進めながら、似た者同士比較して、さらに視野を広げると、他の歌まで一覧で見渡すことができる、「百人一首 早おぼえ表」が完成です。
早おぼえ表は、上の句シートと下の句シートで作り分けました。
さらに、上の句と下の句を交互に隠して答え合わせができる専用の「目隠しシート」もつくりました。
その効果は絶大です。
すでに、使っていただいた方からは「こんな方法があったのか」と効果を実感いただいています。
覚え方の方法は、沢山のネット記事で読むこともできて、それらもとても役に立ちますが、見やすくまとまった紙きれ一枚、二枚があれば、実際に学ぶその場で大きな効果を得られるでしょう。
最近はマンガや映画で話題になったり、競技カルタも盛んになってきて、百人一首の話題を聞くことも増えてきたように思います。
そもそも、千年以上昔の人物が残した歌から、当時の日本人の心情や山里の風景を思い浮かべられるなんて、とても素敵なこと。
かけがえのない日本の宝を受け継いでいけるように、少しのお役に立てれば、こんなにうれしいことはありません。
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